キュウリに関する豆知識

1.キュウリとは?

 キュウリは学名をCucumis Sativus L.といい、植物分類学上はウリ科に属し、メロン、スイカ、カボチャ、ヘチマなどの仲間です。漢字では「胡瓜」と書くことが多いですが、「黄瓜」と書いて「キウリ」と読む場合もあるようです。キュウリは緑色なのになぜ「黄瓜」なのかというと、実は普段私たちが食べているキュウリの果実はまだ幼果であり(よって緑色)、熟した果実は黄色になるのです。 

2.キュウリはどこからいつ頃日本に来たの?

 キュウリの原産地は今なお定かではないのですが、インドのヒマラヤ山脈南麓からネパールに分布するCucumis Hardwickii L.(ククミス・ハードウィッキ)という野生種がキュウリの原種であろうと考えられてます。この野生種の果実自体は激しい苦みをもっており、とても食用には適さないらしいのですが、この地方の野生キュウリの中から長い年月を経て栽培化されていったものが、今日のキュウリの先祖となったと推定されます。日本へは10世紀前に伝来したらしく、「本草和名」(918年)にはじめて「胡瓜」の名が登場してきます。伝来ルートは複数あり、インドから東南アジアを経由して中国華南地方からのルート、中国華北地方で品種が成立し、中央アジア、華中、朝鮮などと並び日本にも伝わったルートなどが代表的です。前者は華南型品種群といい、果実のいぼが黒く(正確にはいぼの先にトゲがあり、それが黒い)、一般には「黒いぼキュウリ」や「春キュウリ」と呼ばれました。対して後者は華北型品種群といい、果実のいぼが白く、「白いぼキュウリ」や「夏キュウリ」と呼ばれました。現在栽培されている品種のほとんどはこちらです。