用語集
各ページに出てくる専門的と思われる言葉を、誰もが理解できるよう、あるいはさらに補足的に、私なりに説明しております。
<イネ・キュウリ用語集>
- あぜ - 田んぼと田んぼの境。くろともいう。
- アドマイヤー - 速効性、残効性に優れ、薬害が無く安全性が高い殺虫剤。粒剤を定植穴に施用する場合、4週間以上の残効がある。水和剤の茎葉散布も害虫防除の切り札的存在。クロロニコチニル系剤。
- アブラムシ - 主に葉裏や新芽に寄生し、汁液を吸い、生育を阻害する。そればかりかモザイクウイルスを媒介し、モザイク病を発生させ、甚大な被害を与える。
- EPN[イー・ピー・エヌ] - りんしょう目の害虫に卓効がある殺虫剤。有機リン系剤のひとつであるホスホロチオネート系の殺虫剤。
- 内張りカーテン[うちばりかーてん] - 冬季に温室内を保温するために内側に張る農ポリフィルム。
- うどんこ病[うどんこびょう] - 粉をふりかけたような白色、円形の病斑を生じ、病状が進むと全葉に及ぶ。
- オンシツコナジラミ - 北米原産の帰化害虫。白い点のように見え、飛来して葉の裏に寄生する。発生が激しいときに葉を手で払うと、白い粉が舞うような感じになる。
- 温湯浸漬 [おんとうしんせき] - イネの籾殻を57℃の湯の中に10分間浸けることで、バカ苗病をはじめとする各種の種子伝染性病害を防除できる。
- 温風暖房機[おんぷうだんぼうき] - 冬季に作物を栽培するため、温室内に温風ダクトを張り巡らし、重油や灯油(機種による)を燃やして室内を暖める装置。4段サーモをつけることで、1日を4ブロックに分け、それぞれに目標温度を設定できる。複合環境制御盤につなげば、さらに細かい設定も可能(しかしソフト面で追いついてないのが現状)。
- 寒冷沙 [かんれいしゃ] - 目の粗い薄地の織物。
- 基肥 [きひ] - 作の最初に施す肥料。元肥 [もとひ]ともいう。
- くろ - 田んぼと田んぼの境。田んぼの縁に土を周りより高く積み上げ、水を張れるようにしたもの。土の代わりにコンクリートを伏せたコンクリートくろ、ビニルを被せたビニルくろもある。
- クロールピクリン - ほとんどの生物を殺す殺菌剤で、土壌消毒剤としての効果が高い。ビニルハウスを密閉して使用し、施用後は2〜3日入室禁止。
- 小糠[こぬか] - 玄米を精米するときに削られた粉。
- コンバイン - 米麦の刈り取り機と脱穀機が統合(コンバイン)された機械。つまり「稲刈り」に活躍する機械。
- 催芽 [さいが] - イネの芽出しのこと。ある温度の水に一定時間つけると、籾種がハト胸状に膨らみ、胚から幼葉鞘と主根が少し出る。
- 下葉かき [したばかき] - 下葉(つまりは古葉)を取り除くこと。古い葉は光合成能力が衰えかえって呼吸により糖を消費してしまうため、また葉が混み合って新葉に当たるべき太陽光を遮ってしまうため、さらにカビ類などの病原の巣になってしまうため等の理由による。
- 自動カーテン[じどうかーてん] - 保温や遮光の目的で、温室の天井において農ポリフィルムを電力で自動的に開閉させる装置。暖房機の油代が大幅に削減される。私が勤めていた「誠和」が当時、国内シェア7割と言われていた。
- ジマンダイセン - カビ病に対する予防殺菌剤。有機硫黄剤の一種でマンゼブ剤。。
- 除塩 [じょえん] - 作後にビニルハウス内に水を張り、余分な肥料成分を取り除くこと。「河川の富栄養化」の悪要因にもなっている。
- 代かき [しろかき] - 田植えをしやすくするために、田に水をため、トラクターを使って表層をとろとろに軟らかくすること。また田面を水平にしてその後の水管理をしやすくする意味もある。
- 浸種 [しんしゅ] - 籾種を水に浸すこと。発芽に必要な含水率25%となるよう吸水させる。
- スミチオン - 有機リン系剤のひとつであるホスホロチオネート系の殺虫剤。イネの種子消毒時にイネシンガレセンチュウ防除のため使用される。MEP剤。
- 畝 [せ] - 面積の単位。1畝=1a=100平方メートル=30坪。
- 生長 [せいちょう] - 植物が育つこと。文部科学省は動植物共に「成長」という文字をあてるように指導しているが、従来の農学では植物が「生長」、動物が「成長」としている。葉が開いたり、茎が伸びたりなどの体細胞分裂による生長を「栄養生長」、開花や花粉、果実を作ったりする減数分裂をともなう生長を「生殖生長」という。
- 生長点 [せいちょうてん] - 茎や根の先端にあって、それらを生長させている分裂組織。頂端分裂組織。
- 接木 [せつぼく] - キュウリの根の欠点(土壌病害に弱い、低温に弱い)を補うため、カボチャ台木の上にキュウリをくっつけて利用する技術。「呼び接ぎ」、「挿し接ぎ」、「割り接ぎ」などの方法がある。近年は「ブルームレス」台木が主流。
- 接木クリップ [せつぼくくりっぷ] - キュウリとカボチャを呼び接ぎした後、接ぎ面が完全にくっつくまで保護するためのもの。形状はせんたくばさみを小さくした形。
- 側枝 [そくし] - 主枝(親づる)の節から発生した生長点を持った茎。子づる。
- 速成堆肥[そくじょうたいひ] - 稲藁と小糠を積み重ね、発酵促進菌の働きにより通常より短期に熟成された堆肥。
- 促成作型 [そくせいさくがた] - 温室や暖房機等を利用して普通作型よりも早い時期に栽培する作型。
- 太陽熱消毒 [たいようねつしょうどく] - ビニルハウス内に農ポリシートを敷き詰め、太陽光の熱で土壌を消毒する。農薬の代替として環境に優しい土壌消毒方法。
- 田植機 [たうえき] - 田んぼにイネの苗を植える機械。主流は乗用。植えながら側条施肥や除草剤散布を一緒にしてしまう機種もある。1年間に2週間しか稼働しないが、無くてはならないもの。
- ダコニール - カビ類全般に対する予防剤。治療効果はほとんどない。有機塩素系剤、TPN剤。
- 種籾 [たねもみ] - 籾種[もみだね]参照。
- 反 [たん] - 面積の単位。1反=10畝=10a=1000平方メートル=300坪。
- 断根 [だんこん] - 接木した苗の穂木側(キュウリ)の胚軸を剪定ばさみで切ったり、ラジオペンチでつぶしたりすること。
- 町 [ちょう] - 面積の単位。1町=10反=1ha=10000平方メートル=3000坪。
- 追肥 [ついひ] - 作の途中に追って施す肥料。
- 定植 [ていしょく] - 作物の苗を本圃場に植えること。稲作では「田植え」。
- 摘心[てきしん] - 生長点を摘除すること。ピンチともいう。
- 動噴 [どうふん] - 動力噴霧器の略。モーターもしくはエンジンとベルトでつないで、農薬散布などに使う。
- 床土 [とこつち] - 播種箱や育苗ポットの中に入れて使う土。
- トラクター - 主に田畑を耕すのに使う乗用機械。後部の脱着部品を交換することにより、他にも様々な仕事ができる。
- トリフミン - EBI(エルゴステロール生成阻害)剤の代表的な薬剤で、イネでは種子消毒時に糸状菌防除の目的に使用される。キュウリではうどんこ病の切り札剤として卓効を見せる。トルフルミゾール剤。
- 苗間 [なえま] - 苗を育成させる圃場。育苗圃。
- 熱風乾燥機[ねっぷうかんそうき] - 灯油を燃やして、脱穀した米を水分含有率約15%に乾燥させる装置。
- ネマトリン - 有機リン系の殺センチュウ剤。腐った卵のようなにおいがする。土壌被覆やガス抜き不要で、簡便に使用できる。副次的効果でアブラムシなどにも効果がある。ホスチアゼート剤。
- 灰色カビ病[はいいろかびびょう] - 開花後間もない幼果の花弁が侵され、ついで幼果の先端から水浸状に軟化し、表面に灰色のカビを密生させる。
- パイプライン - 大元の機場ポンプが稼働することにより、各田んぼで蛇口をひねるだけで容易に用水が利用できる。これができて全体的に田植え時期が早まった。
- 播種 [はしゅ] - 種を播くこと。
- ビスダイセン - カビ病に対する予防殺菌剤。有機硫黄剤の中では唯一、細菌類にも効果がある。ポリカーバメート剤。
- 節 [ふし] - キュウリでは本葉や側枝、果実が出てくる茎の器官。節と節の間を節間[せっかん]という。
- ブラエス - イネのいもち病の治療薬。ブラストサイジンS剤。
- ブルーム - キュウリの株が疲れてくると果実の表面につく白い粉。農薬と間違われたり、ピカピカキュウリ(ブルームレスキュウリ)の方がもてはやされたりという消費動向の中で、現在はこのブルームが出ないようなカボチャ台木に接木しているのが主流。
- べと病[べとびょう] - 葉に発病し、葉脈に囲まれた角形の病斑を生じる。高湿度条件下では病斑の裏に黒いすす状のカビが生じることがある。
- ベーラー - トラクターに取り付け、コンバインにカットされた稲藁を拾い上げて圧縮し、ロール状の稲藁の束を作る装置。
- モザイク病[もざいくびょう] - キュウリモザイクウイルス、カボチャモザイクウイルス、キュウリ緑斑モザイクウイルスのいずれかが原因で、葉や株全体が萎縮し、果実はでこぼこの奇形になり、商品価値が無くなる怖い病気。アブラムシによって媒介されることがある。
- 元肥 [もとひ] - 作の最初に施す肥料。基肥 [きひ]ともいう。
- 籾殻くん炭 [もみがらくんたん] - 籾殻を焼いて、炭にしたもの。土壌改良材として混用される。
- 籾すり[もみすり] - 乾燥させた籾から籾殻を取り除き、玄米にする作業
- 籾種 [もみだね] - 次作の種にするためにとっておく籾。種籾[たねもみ]ともいう。
- モンカット - リゾクトニア菌によるイネの紋枯病に卓効がある殺菌剤。酸アミド系剤の1種でベンゾアニリド系フルトラニル剤。
- 誘引ひも [ゆういんひも] - 自然状態では横に地這いする作物を、立体的に集約して栽培するために、直立に誘導するためのひも。
- 抑制作型 [よくせいさくがた] - 普通作型よりも遅い時期に栽培する作型。
- 4段サーモ[よんだんさーも] - 1日を4ブロックに分け、それぞれに目標温度を設定し、温度を変化させる装置(暖房機等)を制御するもの。
<競馬用語集>
- 追い切り - 出走レースに向けての最終的な強い調教。通常は当該週の水曜日もしくは木曜日に行われる。1頭で追い切ることを「単走追い」、複数頭(2〜3頭)の馬をいっぺんに追い切ることを「併せ馬」という。
- ハロン - 競馬で使う距離の単位。1ハロン=200m。