2000/8/3

キュウリ、苗立枯病でほぼ全滅?!


 8月3日午前にすべての接木が終了したキュウリ苗ですが、夕方育苗ハウスに移動させようとしたところ、前日に接木した苗のほとんどと今日午前に接木した苗の一部が萎れて枯死してしまいました。枯死苗を引き抜いてみると、胚軸の地際部がくびれて細くなっており、この病徴から苗立枯病(なえたちがれびょう)と診断しました。

 苗立枯病は床土を原因とした土壌病害の一種です。今回使用した床土は、そもそも今年の促成作型用に昨年11月に作業棟に運んだものですが、諸事情により苗を自家生産せず購入してしまったので、その時は使用せずそのまま屋内に置いておいたものを利用しました。日光下に置かなかったことが病原菌であるピシウム菌を増殖させてしまったと思われます。

 キュウリは双葉が開いたあたりからこの症状が出て、3500粒播いたうち約1000本ほど地際部から倒れて枯れてしまいました。残り2500本を昨日今日接木しましたが、今日の夕方現在、生き残ったのは1500本程度になってしまいました。病状の進行がまだ止まっていないと思われますので、よくて、さらに半分くらいになってしまうことが予想されます。

 今回は非常事態のため、大きい方の450坪ハウス用のキュウリ苗はさっそく苗業者に発注しました。しかし、定植日や定植密度など、当初の計画から大幅に変更せざるを得なくなりました。経費も種代に加えて、苗代までかかってしまい、大打撃です。長く百姓稼業をやっていると、こんなことは避けて通れない事態かもしれませんが、かなりへこんでます。

 でも失敗から得られるものは成功から得られるものの何倍も大きいと信じていますので、「七転び八起き」の精神で百姓根性出して前向きにいこうと思います。

 

カボチャは元気だが、キュウリが萎れてしまっている。 キュウリ(右)の種子と胚軸の付け根がくびれて細くなって溶けている。根もほとんど出てない。

廃棄された苗。

 

<追記>

2000/8/4

 その後被害が拡がり、ほとんど枯死してしまいそうなので、すべての苗を苗業者から購入する運びとなりました。8月12日に定植予定でしたが、苗業者の方も突然の注文ですので今から仕立てても8月25日くらいにならないと定植できる苗を用意できそうにありません。収穫の開始も大幅に遅れそうです・・・。

 

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